【白井さんのエッセイ】甘いものに目がない親友が・・・

2021年02月01日

 甘いものに目がない親友が、和菓子の入ったすてきな小箱をプレゼントしてくれました。「わぁ、楽しい!」小さい丸いケーキのような紙箱を開けると、パッと今朝咲いたばかりの新鮮な花のような和菓子の数々。若い人たちがよく使う言葉「インスタ映え」そのモノです。


【白井さんのエッセイ】甘いものに目がない親友が・・・

 
 今の季節に咲く花として椿を模ったもの、箱の中のお花畑を彩る愛らしい練り切りは小ぶりのカップなど巧みに使ってうまく立体感を出しています。栗きんとんもモンブランの血統を受け継いだクウォーターというべきか。材料は豆と栗、和菓子の枠を守り味わいに栗を残しているものの、仕上げは小麦粉を使わないモンブランのよう。和菓子にあしらわれる洋のエッセンスから不思議な力が生まれています。

パティシエを志す若者が増え、ケーキを学んだ人の感性と和の技術が出会ってできたのかしら。自由でみずみずしい感性にふれる楽しさを味わいました。
ある日、急に午後から人が来られるということになりました。おやつを何にしようか、栗ようかんは二切れしかない・・・。「そうだ!」と閃いて、栗ようかんを小ぶりのキューブに切ってガラスの杯に。無塩のクルミを小さく割って散らすとなんだかいい感じ。クルミが栗と小豆に寄り添って器の中で納まっています。歯ざわりも楽しめて和洋のいずれにも合うデザートになりました。自由な試みの先にある「おいしい!」「おもしろい!」が私のささやかな幸せです。


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