【白井さんのエッセイ】どの講習会の場にもおじさんの姿が・・・

2019年08月01日

 どの講習会の場にもおじさんの姿が見えません。定期的に私があちこちで講師を務めるトークセミナーにも40人のお客様の中にたまにぽつんと座ってくださっている男性の姿を見るぐらい。心の中で「どうぞお友達を誘ってあげてください」と話しかけています。



 
病院の待ち合いでも見ず知らずのおばさん同士は隣に座っただけで身の上話までして、すぐに友達になるといいます。セミナーだから別に友達にならなくても一人で来て話を聞いて帰るだけでいいのですが、おじさんが友達と二人仲良く・・・は少ないです。

 朝ウチの近くで犬を散歩させている女性はよく見かけますが、男性はやっぱり少ないかなぁ~。定年を迎えた男性が、友達とお昼を食べに待ち合わせ。それもないことではないけど、ランチタイムに男性グループを見つけることはむずかしい。長く会社に勤めた後の新しい暮らしの中で、おじさんはどこに行かれているのでしょう。

「散らかった狭い我が家に、ウチに来ませんか・・・なんて言葉はとんでもない」「友達を誘ってご飯に行くって?いや~めんどうくさい」「近所の町内会の集まり?前々から親しくされている人たちの輪の中に入って今さら・・・」。そんなつぶやきも耳にします。

デンマークの「ヒュッゲ」。今、本や雑誌、テレビなどでよく紹介されています。デンマークが幸せな国と呼ばれるのはどうしてでしょう。福祉国家であるから・・・?確かに未来への不安が少なくなれば何よりです。日本でも年金の問題が話題になります。

もともと「ヒュッゲ」は心が満ち足りた状態をさすノルウェーの言葉だそうです。ほっとくつろぐ心地よい時を過ごすこと。ささやかな幸せを感じること。寒い時にはあったかいものをクッキーやチョコレートと。おかきとお茶ももちろんアリです。ナッツとワインなどお酒が入っても。豪華な食事でなくても大丈夫。

まずは自分にやさしく疲れた体を休め、頑張った自分に労いを・・・。友と会話を楽しみながら、私は思うのです。そんな時やっぱりあったかい気持ちを分かち合える人がいて欲しいと。おじさん達もぜひ友人・楽しい仲間とあったかい時間を。



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