【白井さんのエッセイ】料理を教える講師にとって何が嬉しいって・・・

2018年06月04日

 料理を教える講師にとって何が嬉しいって「今まで一度も食べたことないんです。へぇ~、おいしい!」「子供の頃から苦手で・・・。今日初めて食べました。」ってセリフ。ふふ・・・、今日の講習会でもあったんですよ、この通りのセリフが!お二人から。嬉しかったなぁ~。



 
今日のクライアントは昆布や大豆、その加工品やお惣菜、ヨーグルトなど売っている会社です。先日テレビで大腿骨骨折ワースト1位は兵庫県。東北の2倍(※)と聞き、「エーッ!どして?」とびっくり。番組ではおもしろい理由を3つ挙げていました。

 ①関西では納豆が苦手な人が多いこと。納豆にたっぷり含まれる骨を作る大事なビタミンKを十分に摂取できていないのでは?
 ②関西女性は化粧にかける時間が長いこと。日焼け対策が完璧過ぎて、日光を浴びることで体内で作られるビタミンDが不足しているのでは?
 ③せっかちな関西人、せかせか早歩きで転倒のリスクが高いのでは?

・・・となると、やっぱり手っ取り早いのは納豆を食べること。私のささやかな調査では、今の若い人で納豆が大の苦手という人はそんなに多くないはず。確かに東北のスーパーのようなダァ~ッと広い納豆コーナーはありませんが、以前よりずいぶん種類も増えています。

今日の講習会はとってもシンプル。レシピの材料はすべて1人分です。1人でも多くの参加者に料理を作るチャンスを作って差し上げたい。もちろん主催の会社の製品の宣伝を兼ねた講習会ですから、その意図は酌まないといけないのですが、何より料理が楽しい作業であることを伝えたいのです。

よくかき混ぜた納豆に、人気のお惣菜シリーズ筍の煮物のだしだけをほんの少し加えて混ぜます。噛んだ時、歯ざわりの残る程度に刻んだ筍の煮物をさらに混ぜて、ネギをパラリ。
恐る恐るのひと口。最初の男性は「あ、おいしいですね。人生で初めての納豆です」と無事クリア。
次の女性は「においがイヤだなぁ」と気が進まないご様子ながらも、うれしそうな私の顔に免じてひと口。そしてまたひと口。どんどん笑顔が広がります。「あれ、おいしいです。エーッ、だめだったのに。」お二人とも

納豆はご両親も苦手で一度も食卓に上がらなかったとか。周りから拍手が起こり、みーんな笑顔に。ドラマのような楽しい講習会でした。

 (※)40歳以上の女性の大腿骨近位部骨折発生率


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