「血糖値とナッツの関係」

2025.10.29

こんにちは。内科医の工藤孝文です。



私の専門分野の一つが「糖尿病」や「血糖値のコントロール」です。
そんな私が日々の診療で患者さんによくおすすめする食材のひとつが――

ナッツです。
「脂肪が多いから体に悪いのでは?」と思いきや、実は血糖値管理にも役立つ優秀な食品です。


血糖値とは?基本をチェック


血糖値とは、「血液中のブドウ糖の濃度」のこと。
・空腹時:70〜100mg/dL
・食後:140mg/dL以下が理想

食後に急激に上がると「血糖値スパイク」と呼ばれ、動脈硬化や糖尿病リスクにつながることがあります。


ナッツが血糖値に良い2つのポイント



①低GI食品で血糖値の上昇を緩やかに
ナッツは糖質が少なく、脂質と食物繊維が豊富。そのため血糖値の急な上昇を防ぎ、安定した血糖値のサポートをします。



②間食で次の食事の血糖値が安定
これは「セカンドミール効果」と言い、ナッツなどの食物繊維と脂質の多い食品を間食に食べると、次の食事の血糖値上昇が抑えられるという現象です。午後の間食にナッツを取り入れると、夕食後も血糖値が安定しやすくなります。


いつ食べればいいの?


間食に(午前10時〜午後3時)
→ 血糖値スパイク予防+セカンドミール効果。

食事と一緒に(特に炭水化物が多い時)
→ 食後血糖値の上昇を緩やかに。


注意点(食べすぎNG)


ナッツは健康的な脂質が多い反面、カロリーが高いため、食べすぎると逆効果です。
✅ 1日あたりの目安:20~25g(片手ひとつかみ)
✅ 選ぶなら無塩・無糖・素焼きのナッツ


血糖値が気になる方へ、工藤医師からのひとこと


血糖値が不安定な方は、「食べない」ことより「食べ方の工夫」が大切です。
ナッツは、我慢ではなく賢い選択として血糖管理に活かせる食材。

「ナッツを毎日食べているのに、健康診断で数値が改善した」
――そういった患者さんは、私の外来にも多くいらっしゃいました。


まとめ:血糖値とナッツの関係



ナッツは、薬ではありません。
でも、「食べる習慣を変えるだけで、薬以上の効果が出ることもある」
それが、血糖値とナッツの不思議な関係です。


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